私が高校生の頃。

地元の高校へチャリで通っていた。

当時、家も学校も何かも嫌でよく友達や彼とサボっていた。

 

そんなある日。

相変わらず夜更かししすぎて朝起きれず

母親からの怒りの洗礼を受けながら、昼ごろ家を出た。

 

あぁ〜。めんど〜。
学校も勉強も消えてなくなればい〜のに〜。
今日どうしよっかな〜?
ふらふらとチャリをこぎながら学校とは反対方向へ向かっていた。
駅へ到着。
当時おつきあいしていた彼へ連絡。
年上の彼はもう働いていて、今日はお休み。
暇を確認し、電車で彼の家へ向かった。
昼間は電車の本数も少なく、人もまばらだ。
高校の制服を着ているので、「何でこの時間に高校生がいるの?」と目で非難されながら電車に乗り込んだ。
はいはい。
わかってますよ。
私は見るからにダメな女子高生ですよ。。
しかしながら皆様に何かご迷惑でもお掛けしていますですか?!
心の中で毒づきながら、電車へと乗り込んだ。
その頃。私は小説にハマっていてというか現実逃避の手段としてよく本を読んでいた。
その日も、家庭環境が複雑な子供が懸命に生きていく物語を、勝手に自分と照らし合わせながら読んでいた。
わかる〜!
そうなのよ!親は何もわかってない!
子供にも心はきちんと存在するのよ!!
主人公が親にぞんざいに扱われる箇所を、小説に穴が開くほど凝視しながら夢中で読みふけっていた。
うちは側から見ると普通の家族だった。(私だけはみ出しものだが笑)
父親は普通のサラリーマン。母親は専業主婦。真面目な姉と不真面目な私の4人家族。
しかし、蓋を開けてみればとんでもない家庭だった。
物心ついた頃には親に意見することなど許されない、普通の会話も許されない、常にピリピリした抑圧された世界で生きていた。
朝食・夕食は監獄のよう。(監獄の経験はないのだが
私語・TVは禁止。
今となると笑えるが正座でひたすらご飯を食べなければならなかった。
隣でご飯を食べている姉のご飯を飲み込む音まで聞こえる静けさ
気が狂いそうだった。笑
ご飯を残したり、口答えをしたら、外に放り出されるか押入れに閉じ込められるかの二択。
父親の気分でいつもと同じ事をしていても怒られる事があるので、常に緊張して過ごしていた。
そんな牢獄の世界で生きてきて…15年目を迎えたあたりから私の不満が一気に爆発した。
家にも学校にもあまり行かず日々、友達や彼氏と時間を潰していた。
次は〜〇〇駅〜〇〇駅〜
はっ!として駅員さんの放送を聞いた。
この間も小説に夢中になりすぎて乗り過ごしていたのだ。
幸い、今日は自分が降りる1つ前の駅に到着する所で気がついた。
ホッとしてまた小説を読み進めていると
私が降りるひとつ前の駅へ到着した。
電車のドアが開いて、3秒後くらいに…20代くらいの男性がものすごい勢いで乗り込んできた。
中に乗り込み、キョロキョロと辺りを見回しているのを横目で感じながら頭はボサボサ服もボロボロのその方と目を合わせないようじっと小説を読んでいた。
すると
私の方向にツカツカと大股でやってきて、私の横に置いてあった白い鞄を鷲掴みにし電車を降りて行ってしまった。。
っっ?!うそっっ?!
はっ?
何でっっ?!?!
普通に私の鞄は盗まれた。
私はパニックになりながらも追いかけねば!と席を立ち、ドアまで歩き始めた。
次の瞬間
プシューーーー!バタン!!
目の前でドアが閉まった。。
……そ。。
ドアの前で呆然としてしまった。。
気を取り直しとりあえず席に戻ろうと振り返った途端他の乗客が皆、私の方を見ていた。
急に恥ずかしさと、事の重大さに気づいたがかといって私にはもう手に持っているこの小説しかないのである。
皆の視線をかいくぐるようにそっと元いた席につき何事もなかったかのように小説を開いた。
もちろん、全く内容は入ってこない。
この後どうすればいいのかその事ばかりがグルグルと頭の中を駆け巡っていた。
はっ!?そっか!?
お財布も何もかもない!よくよく考えたら駅すら出れないではないか?!
連絡も取れないしーー!!!
今日、母親に小遣いもらったばかりではないかーー!
あぁぁーーーー!!時よ戻れーーーー!!!
大体あんなに大胆にこの日本で鞄を盗む奴がいる?!何なんだ!あのヤロー!!!💢💢💢
くっそーーーー!!(汚いお言葉ごめんなさいませ
いろいろな思いが電車以上のスピードで私の頭の中を駆け巡ってゆく。
次は〜〇〇駅〜〇〇駅〜
駅員さんは私の事件など知る由もなく前回同様に放送を続けていた。
とにかく!ここで降りよう!
元々ここで降りるつもりではあったが自分を奮い立たせなければ、この席から立ち上がれなくなりそうで必死に気持ちを前へ向かせ、立ち上がった。
相変わらず周りの人々にジロジロ見られながら電車を降りた。
あぁ〜。も〜ど〜すりゃい〜の〜?
とりあえず駅員さんにでも言うか。。
改札にいた駅員さんに事の成り行きを説明し警察が来るまで待機することとなった。
駅前には交番があるものである。
あっという間にお巡りさん到着。
ここでは何だからと交番まで連れて行かれた。
私は鞄を盗まれるまでの経緯を事細かく聞かれなぜ学校に行っていないのかもついでに聞かれ学校の創立記念日です。と、わかりやすい嘘をつきながらお巡りさんに聞かれるままに答えたのでした。
すると交番の電話が鳴り、お巡りさんが話をしていた。
えぇ。あぁそうですか!?
ちょっと待って。
私に向かって
バックが見つかりましたよ!
中身を教えてくれますか?!
私はほとんど勉強道具など入っていない鞄の中身を思い出せるままに答えた。
おそらく私の鞄だろうということになり交番まで届けてくれることになった。
私の鞄はどこにあったのか尋ねると盗まれた駅の男子トイレに散乱していたと言うことだった。。
……
……トイレって。。。
鞄が見つかったのは嬉しいがトイレに散乱していたというのは受け止めきれなかった。。
ほどなくして、1時間ほど前には私の横にいた白い鞄がやっと戻ってきた。
中身の確認をお願いされテーブルに出された物を見ていったのだがお土産に貰ったお気に入りのDiorの財布がない。。
という事は、中身の1万円もない。。
という事だ。。。
くそーーーーー!!!(汚い言葉でごめんなさいませ)
やりきれない思いの中いろいろ書類を書かされ鞄はきっちり手で持ちなさいと諭され…500円玉を手渡された。
帰りの電車賃ないでしょ?
今度返してくれればいいから、これで帰りなさい。
ここに神がいた。
500円玉を握りしめ世の中にはいい大人もいるのだなと、何様なのかわからない事を思いながら彼の家へと向かった。
ピンポーーーン
遅かったな。と言われながら中へと入った。
靴を脱ぐか脱がないかの間に私はさっきまでの出来事を興奮気味にまくしたてた。
一瞬驚いた様子の彼だったがその後はいたって冷静にというかだんだんキレ気味に聞いていた。
だいたいなんで鞄を横に置きっぱなしにするんだよ!
それじゃー取ってください!って言ってるよーなもんだろ!?
お前はいつもそう!注意力が散漫すぎるんだよ!!
え?
え?
なんで??
なんで私が怒られてるの?!
私は立派な被害者よー!!と、思いながら。。
一通りあーだこーだと怒られていた。。
さすがにだんだん腹が立ってきて言い返そうとしたら買い物から帰ってきて、途中から話を聞いていた彼の母親が助け舟を出してくれた。
まぁ。まぁ。
ゆぅちゃんだってまさかこんな事になるとは思ってなかったでしょうし次から気をつければいいのよ。
まぁ。何より、無事でよかったわ。
お金だけで済んでよかったわよ!
そーだ!そーだ!と、心の中で叫びながら彼のまだ何か言い足りなそうな顔を見ていた。
私は何だか勝ったような気で彼はイライラしながら彼の部屋へ行き
で?
お前、鞄はどこ?
捨てた。
そして…また説教が始まったのでした。。
物を大事にしろ。だの何だのとあぁぁーーー!うるさい!!
どー考えても男子トイレに散乱していた物を使う事はできないでしょ?!
私の価値観と彼の価値観に違和感を感じながらも生まれて初めて本気で人を好きになった弱みからただただひたすらに彼の気が治るのを待つのでした。。
これでは家の監獄とあまり変わらない気がするが。。
私の男を見る目のなさと、自分のどうしようもなさが招いたこの事柄をずっと忘れないだろうと、彼に説教されながら考えそしてまた
『聞いてるのかーーーーーっっっ!!💢
と、怒られる私なのでした。。。
今日。普通に学校行くべきだったな。。
今日の教訓
 電車に乗るとき、鞄は手でしっかりと持とう!これ大事!
もし難しい場合は手首と鞄をこれでしっかり繋いでしまおう!!(笑)
ファーがついてるから痛くない!(笑)

 盗まれている現場を見たら『泥棒ー!』と叫んであげよう!
もしくはそーっと、盗人(ぬすっと)の写真を撮っちゃおう!
携帯だとバレちゃうからこの小型カメラでバッチリ!!(笑)
録音・録画・撮影OK!暗い夜でも大丈夫!!(笑)

 学校には無理しない程度に行ってみよう笑
イライラが多い男を選ぶのはやめよう笑

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